女医しろし卓上に置く血のダリア 盛田一荘

 

 

俳句における短いがゆえの言葉の省略法は、時に劇的な効果をもつ。「女医しろし」は白衣が省略されているが、読者はストレスなしにそれを読み取ることが出来る。血のダリアも、血のような鮮やかな赤という意味が、同様にストレスなしに伝わる。読者へ白と赤のイメージをダイレクトに伝わるのである。(『現代俳句歳時記』実業之日本社)(K.K.)