引越してゆくぶらんこを乗り捨てて 望月周

 

 

ぶらんこに「乗る」とはいうけれど、掲句を読んで新めてぶらんこは乗り物なのだと気が付いた。移動は出来ないけれど、乗っている間は、日常を離れて別の世界に旅をすることが出来る。この子はきっと、公園の近くに住んでいて、いつも作者と一緒に、ぶらんこで旅をしていたのだ。そしてその子だけ本当に旅だってしまった。ぶらんこに揺れをのこしたまま。きっと引っ越しの直前まで作者と公園で遊んでいたんだね。トラックに手を振ったりして。私も似たような、寂しい思い出があるなあ。(『百鳥』2002年6月号)(K.K.)