麦秋の水郷棹を休めつつ 堀井浮堂

 

 

俳句とは作るものではなく受け止めるもの。面白い句を作ってやろうと狙っていないからこそ、このように言葉の立ち姿が美しく上品になるのです。これぞ正当俳句。麦秋の風景が観光ポイントだから棹を休めたのではないでしょう。もともと、のんびりとゆったりとした舟巡りなのです。(『ホトトギス』1999年09月号)(K.K.)