山の色釣り上げし鮎に動くかな 原石鼎

 

 

古文の「色」には色々な意味があるが(駄洒落ではありません)、この場合は「表情」とか「趣」程の意味だろう。「動く」のは鮎ではなくて山の色だが、鮎が動くから山の色も動くように感じるのだ。鮎の動きを書かずに鮎の躍動感が見事に表現されている。(『現代俳句歳時記』ハルキ文庫)(K.K.)

追記 この句は釣った鮎の体表に山の色が映っている様、と解釈している人が多い様だ。実際には鮎の動きが速すぎて山が映る様は見えない。また、鮎の体色そのものを山の色としたとも読めないことはない。解釈の多様性は俳句の特権なので一応紹介しておく。