鮎鮓や土間の暗さに目の馴れて 摂津よしこ

 

 

暗さに目が馴れるということは、単に今日の天気が良いとか土間壁色や床の凸凹が見えて来るという事だけではない。作者の心が落ち着いて、店に良く馴染んでいる。店の雰囲気や心地よさが掲句から感じ取れる。摂津よしこは感性が鋭い句だけではなく、こういうオーソドックスな情感の句も一級品である。(『夏鴨』年月号)(K.K.)