青田原母を探すに青すぎる 橋本純子

 

別に母はいなくなったわけでは無い。おそらくはまだ小さい私が、ちょっと母に用事があって、いつもの田んぼに見に行ったのだ。私がそこで見たものは。母の不在と、青々と広がる田園。整然と高さが揃った青田だからこそ、草原とはまた違った孤独感がある。作者の心象風景でもある。(『現代俳句歳時記』学研)(K.K.)