一点の偽りもなく青田あり 山口誓子

イメージがすっと立ち上がり、後味すっきり。これぞ誓子の句。伝統的作句手法であれば「一点の偽りもなき青田かな」としてしまいそうなところだが、「青田あり」とすることで、青田の存在感が増し、きりりと句が締まります。『現代俳句歳時記』実業之日本社)(北野和博)