天の川禽獣の夢ちらかりて 飯島晴子

 

 

川は流れる。でも、天の川は流れているようには見えない。少なくとも飯島晴子には、ただ無数の星が散らばっているように見えていたのだ。天の川が空に顕れる時、禽獣たちは深い眠りの最中である。繰り返しになるが、天の川は流れていない。そこをしっかりとイメージして、この傑作を噛みしめていただきたい。流れをイメージすると、単なるロマンチックな句になってしまう。この句は厳しく非情な句である。(『飯島晴子の百句』ふらんす堂)(K.K.)