秋天のわれがぐん ゝ ぐん ゝ と 高浜虚子

虚子にしては異色の作品。「ぐんぐん」は、作者の自我の強さの現れと読むより、自分が秋空の下に立っている姿を思い浮かべて読んで欲しい。ほら、気持ちよくなって来たでしょう。(「ゝ」は縦書の「〵」として読んでください。)(『昭和俳句作品年表戦後篇』東京堂出版)(北野和博)