秋風や何もでて来ぬ穴があり 本多俊子

 

 

穴の奥の暗闇には、確かに何かいそうである。現にいることもあるだろう。作者は「何もでて来ぬ」と書きながら、何かの気配を感じているようだ。「何も」の「何」とは「何」?(『さくらの音』文学の森2006年)(K.K.)