薄れゆく書翰のインク秋深し 河野扶美

 

 

書翰は書簡。インクで書かれた文字は時間とともに薄れてゆく。まるで記憶のように。また、インクは光に弱いから、何度も読み返した大切な書翰(おそらく手紙)ほど、悲しいことに早く消えてしまうのだ。(『ホトトギス』2002年月3号)(K.K)