よその子にかこまれて秋何話そ 高田風人子

こんな経験、誰でもありそうな気がしますね。実際にはなくても、誰でもありそうな出来事を捉えることは、詩人にとって大切なセンスです。よその子には、自分の子とも、知らない子とも違った微妙な距離感があります。こんな状況ですが主人公は、まんざらでもなさそうです。秋風が色とりどりの話を連れて来てくれそうです。関係なさそうな「秋」が良く活きています。(『昭和俳句作品年表戦後篇』東京堂出版)(北野和博)