鳳仙花爆ぜて母屋の昼深し 木下節子

 

 

鳳仙花の熟した実の先を軽くつまむと中から種が爆ぜ散る。微かな音だが、体感的にはパンと音がして、飛び散る感覚である。一方、母屋では物音ひとつしない。とてつもなく静かな白昼である。(『俳句通信』1999年10月号)(K.K.)