指ふるる葡萄の皿の上でかな 林裕子

 

 

よそ見をしながら葡萄の皿の手を伸ばしたら、他人の指にふれてしまいました。でもどうやら、気を許した相手のようです。わざと触れたりなんかして。そんな穏やかな雰囲気が伝わってきます。(『風土』2000年12月号)(K.K.)